2012年11月2日金曜日

日本脳炎予防接種記事から


日本脳炎の予防接種、中止の必要なし-接種後死亡で厚科審小委

医療介護CBニュース 10月31日(水)16時28分配
 厚生科学審議会予防接種部会の日本脳炎に関する小委員会は31日、ワクチン接種後の死亡例が2例報告されたことを受けてワクチンの安全性について協議し、「接種を中止する必要はない」と結論付けた。いずれの死亡例についても「ワクチンそのものと死亡との関連は薄い」との意見が相次ぎ、「危険性が高まったわけではない」と判断した。接種を中止することで、患者の増加が懸念されることも考慮した。

 ワクチン接種後に死亡したのは、7月に接種を受けた9歳未満の小児と、10月に接種を受けた10歳の小児。
 9歳未満の小児は、接種翌日から鼻水やせきなどの症状があり、その次の日に発熱。接種から1週間後に急性脳症により死亡した。小委では、「ワクチン接種翌日に発症したウイルス感染症が急性脳症の原因になったと考えられる」「ほかのウイルスが検出されるなどの証拠がないと断定できないが、ワクチンが原因になった可能性は低い」などの意見が出た。

 10歳の小児は、接種5分後に心肺停止状態になり、その約40分後に病院に救急搬送された。約2時間、心肺蘇生が実施されたが、一度も心拍再開することなく死亡した。小委では、小児が内服していた複数の向精神薬に、心電図異常の「QT延長」を引き起こす副作用があることに加え、ワクチン接種による痛みやショックが心肺停止の原因になった可能性が指摘された。

 また、参考人として出席した国立感染症研究所感染症情報センターの多屋馨子第三室長は、ワクチン接種を中止すると、少なくとも年に1000人以上の患者が西日本を中心に発生し、このうち18%に当たる200人弱が死亡するとの推計結果を示した。

 日本脳炎ワクチンは、従来使用されていたマウス脳由来のワクチンで、接種後に重症ADEM(アデム、急性散在性脳脊髄炎)を発症した例が報告されたため、2005年5月に積極的勧奨が差し控えられた。しかし、新たな製法の乾燥細胞培養ワクチンが09年6月に導入されたことを受け、10年度から勧奨を再開した経緯がある。
 小委では、新たな製法のワクチンが今年9月末までに推定で約1445万回接種され、11例のADEMが報告されたことを厚生労働省が明らかにした。

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